東京で税理士をしている野中敏博と言います。元々はシステムエンジニアだった知識・経験と、開業後に始めたマーケティングを活用して、毎日経営者の方々と一緒になってこの不況を乗り切ろうと頑張っています。
前回に引き続き、労働関係助成金の生産性要件について解説いたします。
一定以上の向上を達成した場合に、助成の割増等が行われる「生産性」は、次の計算式によって算出されます。
なお、本記事では企業会計基準を用いている一般企業の場合を前提としています。
生産性=付加価値÷雇用保険被保険者数
付加価値=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課
<注意点>
・「付加価値」は、直近の会計年度もその3年度前もプラスであることが必要です。
・「生産性要件」の算定対象となった期間中に、事業主都合による離職者(解雇等)を発生させていないことが必要です。
ここで、生産性の算定要素である「人件費」の対象について整理します。
・従業員の「給料手当、賞与、通勤費、法定福利費、福利厚生費、雑給、研修費、退職金」などが対象となり、役員の分(役員報酬等)は含まれません。
・出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合も含む)は対象となりません。
・派遣労働者の派遣手数料(「外注加工費」などの勘定科目)は対象となりません。
生産性要件を計算するための「生産性要件算定シート」が、厚生労働省のホームページに掲載されています。
ダウンロードして、該当する勘定科目の金額を、損益計算書や総勘定元帳などから転記することにより、要件を満たしているか判定することができます。
厚生労働省 生産性要件算定シート
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html
なお、助成金の申請に際しては、各勘定科目の金額の証拠書類(損益計算書や総勘定元帳など)を提出する必要があります。
助成金の生産性要件の活用を検討されたいとお考えの方は、当事務所までお気軽にお問合せください。
(2023年03月)
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返済負担を軽くする代表的な方法として借換えと条件変更があります。
条件変更は既存借入金の返済期間を延長(リスケジュール/返済条件を変更)することです。
既存の融資に対し条件変更をすると信用格付けが下がり、そうなった場合に新規の追加融資
を受けるのが難しくなりますので注意が必要です。
一方、借換えは新たに融資を受けて、既存の借入金を返済することです。
条件変更とは異なり、基本的には金融機関からの信用格付けが下がりません。
そのため、次に資金需要が発生した際にも融資を受けることも可能です。
以上のことから、返済負担が重い時は、まずは借り換えができないか金融機関に相談するのが
よいでしょう。
前回のブログで紹介した「コロナ借換保証」も借り換えに対応できる制度になっています。
融資を考えている方はお気軽に当事務所までお問い合わせください。
(2023年03月)
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助成対象者 | 都内での創業を具体的に計画している個人又は創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方 |
助成対象期間 | 交付決定日から6ヶ月以上最長2年 |
助成対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費 |
助成限度額 | 300万円(下限100万円) |
助成率 | 3分の2以内 |
日本では、将来的に労働力人口の減少が見込まれる中、労働生産性の向上が求められています。
企業における生産性向上の取組を支援するために、一部の労働関係助成金では、労働生産性が一定以上伸びた場合に、助成額や助成率の割増等が設定されています。
今回は、労働関係助成金の「生産性要件」について解説します。
助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、下記のいずれかに該当する場合に、助成の割増等が行われます。
①その3年度前と比較して6%以上伸びている
②その3年度前と比較して1%以上6%未満伸びている
<各種留意点>
・3年度前の初日に雇用保険の適用事業主であることが必要です。
・会計期間の変更などにより、会計年度が1年未満の期間がある場合には、その期間を除いて3年度前に遡って算定を行います。
・②の場合には、金融機関から一定の「事業性評価」を得ている必要があります
生産性要件が設定されている主な助成金は、以下の通りです。
・人材確保等支援助成金:雇用管理制度助成コースなど
・両立支援等助成金:出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コースなど
・キャリアアップ助成金:正社員化コース、賞与・退職金制度導入コースなど
・人材開発支援助成金:特定訓練コース、一般訓練コースなど
・業務改善助成金
例えば、キャリアアップ助成金の正社員化コースで、有期雇用労働者を正社員に転換した場合、通常は57万円の支給となるところ、生産性要件を満たすことで助成額が72万円に増額されます。
次回は、生産性の具体的な計算方法についてご説明いたします。
助成金の生産性要件の活用を検討されたいとお考えの方は、当事務所までお気軽にお問合せください。
(2023年02月)
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