東京で税理士をしている野中敏博と言います。元々はシステムエンジニアだった知識・経験と、開業後に始めたマーケティングを活用して、毎日経営者の方々と一緒になってこの不況を乗り切ろうと頑張っています。
年収が一定額を超えると、配偶者の扶養に入って働くパート労働者等の手取り収入が減る「年収の壁」が問題視されてきました。
人手不足への対応が急務となる中で、政府は2023年9月に「年収の壁・支援パッケージ」を発表し、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援することになり、メディア等でも注目を集めています。
その中でも、年収106万円以上となることで厚生年金や健康保険に加入するため、保険料負担を避け就業調整を行う「106万円の壁」への対応策として、キャリアアップ助成金の新コース創設が決まりました。
今回は、「106万円の壁」問題を解消するための助成金について、ご紹介いたします。
1.概要
キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を新設し、パート・アルバイトで働く方の厚生年金や健康保険の加入にあわせて、「手取り収入を減らさない取組」を実施する企業に対し、労働者1人当たり最大50万円の支援を行います。
2.「手取り収入を減らさない取組」の具体例
・社会保険適用促進手当の支給
→事業主が被用者保険適用に伴い、手取り収入を減らさないように手当を支給した場合は、本人負担分の保険料相当額を上限として、社会保険の算定対象外となります。
・賃上げによる基本給の増額
・所定労働時間の延長
3.支給額
手当等支給メニュー |
|
要件 |
1人当たり助成額 |
①賃金の15%以上追加支給(社会保険適用促進手当) |
1年目 20万円 |
②賃金の15%以上追加支給(社会保険適用促進手当) 3年目以降、③の取組を実施 |
2年目 20万円 |
③賃金の18%以上増額 |
3年目 10万円 |
労働時間延長メニュー |
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週所定労働時間の延長 |
賃金の増額 |
1人当たり助成額 |
4時間以上 |
― |
30万円 |
3時間以上4時間未満 |
5%以上 |
|
2時間以上3時間未満 |
10%以上 |
|
1時間以上2時間未満 |
15%以上 |
本記事が皆さまのお役に立てば幸いです。
(2023年10月)
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