東京で税理士をしている野中敏博と言います。元々はシステムエンジニアだった知識・経験と、開業後に始めたマーケティングを活用して、毎日経営者の方々と一緒になってこの不況を乗り切ろうと頑張っています。
前回に引き続き、キャリアアップ助成金の「賞与・退職金制度導入コース」をご紹介いたします。
今回は、大まかな手続の流れを解説します。
①キャリアアップ計画の作成・提出
・賞与制度、退職金制度を規定する前日までに提出し、労働局の認定を受けます
↓
②賞与・退職金制度の導入
・就業規則または労働協約に、賞与制度、退職金制度を規定します。
・制度導入後の雇用契約書や労働条件通知書を、対象となる労働者に交付する必要があります。
・その制度の適用を受けるすべての有期雇用労働者等の、基本給および定額で支給されている諸手当を、制度導入前と比較して減額していない必要があります。
↓
③初回の賞与支給または退職金積立後、6か月分の賃金を支給
↓
④助成金支給申請書を提出
・初回の賞与支給または退職金積立後、6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に申請します。
↓
⑤労働局の審査を経て支給
非正規社員の待遇改善を通じて、雇用の安定を期待できる便利な助成金ですが、長期的には人件費負担が増加することになりますので、慎重な検討が必要です。
こちらの助成金の活用を検討されたいとお考えの方は、当事務所までお気軽にお問合せください。
(2023年01月)
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前回に引き続き、キャリアアップ助成金の「賞与・退職金制度導入コース」をご紹介いたします。
今回は、主な支給要件のご説明になります。
<対象となる労働者>
①制度新設日(賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設けた日)の前日から起算して3か月以上前の日から、新設日以降6か月以上の期間(新設日以降について勤務をした日数が11日未満の月は除く)継続して雇用されている有期雇用労働者等
②賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設け、初回の賞与支給または退職金の積立をした日以降の6か月間、雇用保険被保険者であること
③事業主または取締役の3親等以内の親族でない者
④支給申請日において離職していない者
<対象となる事業主>
① 就業規則や労働協約において、雇用するすべての有期雇用労働者等に対して、賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設けたこと
② ①の制度に基づき、対象労働者1人当たり、下記A・Bの一方または両方に該当すること
A.賞与については、6か月分相当として、5万円以上を支給
B.退職金については、1か月分相当として3,000円以上を6か月分、または6か月分相当として18,000円以上積立
③ ①の制度を、すべての有期雇用労働者等に適用させたこと
④ ①の制度を、初回の賞与の支給または退職金の積立後6か月以上運用していること
⑤ ①の制度の適用を受けるすべての有期雇用労働者等について、適用前と比べて基本給および定額で支給されている諸手当を減額していないこと
⑥ 支給申請日において、賞与もしくは退職金制度またはその両方を継続して運用していること
※すでに一部の非正規社員に賞与や退職金を支給している場合には、新たな制度導入とは言えないため、対象となりません。
ただし、就業規則等に規定がなく、慣例的に支給していた賞与制度を就業規則等において規定した場合は支給対象となりえます(退職金制度も同様)。
※上記以外にも、細かな要件が多数ございます。
次回は、手続の流れについてご説明いたします。
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(2023年01月)
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前回までは、「正社員化コース」の2022年度改正をご紹介しました。
キャリアアップ助成金につきましては、「正社員化コース」以外にも、2022年度に大きな変更が行われています。
その中でも、中小企業において比較的使い勝手のよい「賞与・退職金制度導入コース」の新設について、今回から3回にわたって解説します。
「賞与・退職金制度導入コース」は、契約社員やパートタイマー等の有期雇用労働者等を対象に、賞与や退職金の制度を新設し、実際に賞与の支給や退職金の積立を実施した場合に、助成を行う制度です。
昨年度までは、「諸手当制度等共通化コース」という名称で、諸手当等(賞与、退職金、家族手当、住宅手当、健康診断制度)を正社員と共通化した場合に支給されていました。
2022年4月以降、家族手当・住宅手当・健康診断制度の共通化による助成は廃止され、賞与または退職金の制度導入への助成へと見直されました(正社員との共通化は必須ではありません)。
非正規雇用の労働者に対しても、正社員と同様の賞与や退職金を支給することにより、正社員との不合理な格差を解消することを趣旨としています。
支給額は1事業所当たり38万円(生産性要件を満たせば48万円)で、1事業所につき1回限りの支給となります。
賞与と退職金の制度を両方同時に導入した場合には、1事業所当たり16万円が加算(生産性要件を満たせば19.2万円が加算)されますので、合計54万円(生産性要件を満たすと67.2万円)が支給されます。
※本記事においては、中小企業の場合の支給額を記載しています。
次回は、主な支給要件についてご説明いたします。
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(2022年12月)
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前回に引き続き、「キャリアアップ助成金」<正社員化コース>の2022年度改正をご紹介いたします。
今回は、改正点の3つ目「非正規雇用労働者の定義変更」のご説明になります。
2022年10月以降は、「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」が適用されている非正規雇用労働者を、正社員に転換する必要があります。
変更前の「非正規雇用労働者」の定義(2022年9月まで) |
6か月以上雇用している有期または無期雇用労働者 |
変更後の「非正規雇用労働者」の定義(2022年10月以降) |
賃金の額または計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を、6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者、 |
「賃金の額または計算方法が、正社員と異なる」とは具体的に、基本給・賞与・退職金・各種手当等のうち、いずれか1つ以上で、正規雇用労働者と異なる制度を、明示的に定めていることが必要です。
正社員と非正規雇用労働者の区別が、就業規則等で明らかになっていない場合は、この要件を満たしているか確認できないため、支給対象外となります。
また、賃金の額や計算方法について「個別の労働契約書で定める」などと記載されているだけでは、就業規則等において正社員との差異を確認できず、支給対象外となります。
申請に際しては、十分ご注意いただければと思います。
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(2022年11月)
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前回に引き続き、「キャリアアップ助成金」<正社員化コース>の2022年度改正をご紹介いたします。
今回は、改正点の2つ目「正社員の定義変更」のご説明になります。
2022年10月以降は、「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正社員への転換が必要となります。
変更前の「正社員」の定義 (2022年9月まで) |
同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者 |
変更後の「正社員」の定義 (2022年10月以降) |
同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者 ただし、「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者に限る |
今回の改正で、正社員に適用されるべき「長期雇用を前提とした待遇」について、具体的な基準が要件化され、より厳格に判断されることになりました。
賞与も退職金も導入していない企業では、申請できないことになりますので、ご注意ください。
次回は、改正点の3つ目「非正規雇用労働者の定義変更」を取り上げます。
こちらの助成金の活用を検討されたいとお考えの方は、当事務所までお気軽にお問合せください。
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