ブログ用目次NPO法人と法人税の収益事業の関係について、このブログで連載していますが、今回はどこまでを一つの事業ついて判断するかを考える付随行為をテーマとします。
12.付随行為として収益事業の一部とされるのは、以下の様な行為です。既に述べたように、法人税では34の事業が収益事業として限定列挙しています。
そして、その性質上その事業に付随する行為は、それぞれの収益事業に含まれるとされています。
では、どの様な行為が収益事業の付随行為になるのか、例を挙げて説明します。
1)出版業:その出版に係る業務に関係する講演会の開催又は当該業務に係る出版物に掲載する広告の引受け
上記の付随行為は、出版事業として課税されます。
逆に、出版業を営むNPO法人等が行う講演会等でも、その出版事業と直接関係の無い場合で、独立した事業と認められる事業は、出版事業ではなく、興行業や技芸教授業に該当しない限り、収益事業に該当しないと考えられます。
2)技芸教授業:その技芸の教授に係る教科書その他これに類する教材の販売及びバザーの開催上記の付随行為は、技芸教授業として課税されます。
例えば、料理を教えるNPO法人が生徒に教材等を販売した場合や、定期的にバザーを行った場合、これらの行為も課税対象になります。
なお、教科書その他これに類する教材以外の出版物その他の販売については、後日ご説明します。
3)旅館業・料理店業:その旅館等において行う会議等の為の席貸し上記の付随行為は、旅館業・料理店業として課税されます。
元々、旅館業・料理店業に席貸しの概念があるからです。
4)興行業:放送会社に対し、その興行に係る催し物の放送をすることを許諾する行為
上記の付随行為は、興行業として課税されます。
判りやすい事例かと思います。
5)NPO法人等が収益事業から生じた所得を預金・有価証券等に運用する行為
上記の付随行為は、収益事業として課税されます。
これらの行為は、企業の資金運用と同じように考えられるからです。
しかし、その預金・有価証券等の運用が、収益事業の運営の為に通常必要な範囲を超えて行われる場合は、別になります。
これは、完全な余裕資金の運用は、収益事業の付随行為ではなく、別の行為になるからです。
この場合の法人税の適用については、後日ご説明します。
6)NPO法人等が、収益事業に属する固定資産等を処分する行為
上記の付随行為は、起業の場合と同様に、収益事業となります。
但し、土地・建物等の値上がり益は単なる付随行為とは言えない為、所定の条件を満たせば収益事業に該当しない事になります。
この場合の法人税の適用については、後日ご説明します。
(2013年08月)
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