東京で税理士をしている野中敏博と言います。元々はシステムエンジニアだった知識・経験と、開業後に始めたマーケティングを活用して、毎日経営者の方々と一緒になってこの不況を乗り切ろうと頑張っています。
以前に当ブログでも取り上げた「キャリアアップ助成金」は、多くの企業が活用している助成金です。
その中でも、最も活用頻度が高いと言われるのが、有期雇用の労働者を正規雇用に転換した場合などに支給される<正社員化コース>です。
正社員化コースは、2021年度に改正が行われました。
主な変更点は、次の2点です。
1.支給要件の変更
2.加算要件の変更
今回は、改正点の1つ目「支給要件の変更」について解説いたします。
なお、この助成金の詳細につきましては、以前の記事をご覧ください。
【改正前の支給要件】
正規雇用等へ転換等した際、転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金を比較して、以下のアまたはイのいずれかが5%以上増額していること
ア 基本給および定額で支給されている諸手当(賞与を除く)を含む賃金の総額
イ 基本給、定額で支給されている諸手当および賞与を含む賃金の総額(転換後の基本給および定額で支給されている諸手当の合計額を、転換前と比較して低下させていないこと)
【改正後の支給要件】
正規雇用等へ転換等した際、転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金を比較して3%以上増額していること
なお、上記の「賃金」とは、基本給および定額で支給されている諸手当を含む賃金の総額であり、賞与は含めないこととします。
要点をまとめると、「賃金の増額率が5%から3%に引き下げられた」一方で、基準となる賃金から「賞与が除かれる」ことが明確化されました。
次回は、改正点の2つ目「加算要件の変更」について解説いたします。